2010年4月19日月曜日

プロフェッショナル 伊東 豊雄

第2回「プロフェッショナル 伊東 豊雄」の報告。
広田 元樹

「台中メトロポリタンオペラハウス」、「TOD'S表参道ビル」、「多摩美術大学図書館」など手がけているが、代表作品は「せんだいメディアアーク」である。

このプロジェクトは、空洞を持つ樹状構造体としてのチューブと、このチューブ及びそれによって支えられるフラットスラブで構成され、人の流れ、光・空気・音などの自然の流れ、情報やエネルギーの流れが発生し、従来にない不均質な場を形成している。

もともと、建築は、人をコントロールしてしまう部分があることに、疑問を抱いていたが、なかなか解決策を見つける事ができなかった。しかし、伊東は自分の作品をあるタクシー運転手に、「あの建築は、外は奇麗だけど、中に入るとつまらない。」と言われ、建築に込める1つの理想である、[人を自由にする]事を改めて実現しようと決心したとき、ちょうど「せんだいメディアアーク」のコンペがあり、自分の理想を実現させることができた。

「せんだいメディアアーク」では、壁をとっぱらう事で、そこにいる人が自由に好きな事をできるようにし、人と人の関わりが増え、そこにいる人の人間関係をも変えた。

また、常に新しい事にとりくむ人である。
新しい事に挑戦する事は、いつも不安と隣り合わせであり、過去の作品をリセットする大変な事ではあるが、思いもよらなかったところに行けば行くほど面白いと思う人であり、冒険する事を惜しまない。

最後に、海外の仕事を同時に10以上もこなし、大規模公共建築のコンペでは勝率5割など素晴らしい功績もある。現地に敷地調査をしに行ったり、簡単なデザインを一人で考えたり、スタッフと話し合い、新人の話も参考にするなど、身近な事で参考になる人物である。

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