2011年5月11日水曜日

第3回 建築学特論

すまいの原型=エシェリック邸
「エシェリック邸は、小さな、美しい宝石箱のような住宅である。」こう書き出してある文章だった。著者の香山さんは、要約しようとする自分に対して、難題を多く与えてくれた。この文章の中では、多くの建築家、建築物、キーワードが登場し、まずは、その言葉たちをよく理解するためにリストアップし、全てを自分なりにまとめることからはじめた。
建築家ルイス・カーンがエシェリック邸にかけた時間と情熱は、彼の他の大建築にも劣らなかった事。自身を世界的に有名にしたペンシルバニア大学リチャーズ医学研究棟の失敗から、窓というものを徹底的に考えなおした事。チェスナットヒルという土地と、そこに住む多くの芸術家たちが、カーンの個性を開花させた事。など、この文章ではカーン自身のことに多く触れられているのも、エシェリック邸の魅力を引き出す香山さんの粋な演出だったと思う。またエシェリック邸は、私たちにとって、新しい今日における、初源の小屋である。という表現や、ニューメキシコのプエブロの集落に似ていること、単純明快な構成であることなど、エシェリック邸がどのように素晴らしく、なぜ初源の小屋で、どうして宝石箱なのか、議論ではたくさんの意見、考え方など、何回も読んだ自分でも導き出せなかった「答え」をたくさん聞けたことで、この文章に対して深く理解できたと思う。
自分自身としては、あらかじめ調べておいた、建築家、建築物、キーワードの資料と、登場する建築の写真と図面を配布することと、地図を用意し、実際に文章にある通り、道を進んでエシェリック邸がどこにあるのかをクイズ形式にして出題し、話しやすい雰囲気にし、議論が円滑に進むよう心がけた。
意見をまとめるのが下手だったり、そもそもこの報告を書くのが遅すぎることなど、本当にご迷惑をおかけしました。自分が進行を務めるということで、工夫をしたつもりでしたが、やはり、意見を出してもらって、そこから話が膨らむ、そうすることで、理解が深まってくる。情報を共有することで、その情報が強くなっていく、議論を進めていく立場でありながら、得るものが多く、とても勉強になりました。ありがとうございました。09TA081 星加 健

1 件のコメント:

  1. 建築について書かれた文章は、全編がクイズと言ってもよいかもしれない。文章で書かれていることが、実際、どのような建築のことを語っているのか、読み手は常に想像力を働かせながら読む必要があります。
    今回は、一つ一つの、意味を確認しながら、丁寧に文章を読み込むことができました。これをもっと進めて、各自が多くの知識を持てば、より広い世界に繋がる議論ができるのではないかと思います。(頴原)

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