2011年7月5日火曜日

矢作昌生講演会 報告

昨日は、矢作昌生先生の講演会でした。
この講演会は、矢作先生がこれから企画していく
「建築家レクチャーシリーズ」の先駆けです。

タイトルは「同時的デザイン思考」で、
自らの事務所を設立してから15年の間に手がけた
60件の事例から、いくつかを紹介しつつ、
困難な状況を、デザインの力でよりよいものに
変えてきた軌跡(=奇跡)を見せていただきました。

難しい条件(敷地、予算、希望)に対して、
「一度、すべてを受入れてみる」
その上で、
「イチローのように、どんな玉でも自分が変化して打ち返す」
気概を持ってとりくみ、
「より少ない手数で、よりシンプルに」
思考を重ねてゆく。

その結果、矢作先生の作品は、
シンプルなのだけれども、最終的には、
何だか、とてもゴージャスなものになっているように思いました。

それは、形ばかりでなく、材料を、素材そのものを使うように
心がけていることから実現されているようです。
(ミース、あるいはロース的と言えるかもしれません)

また、矢作先生の作品は、
一つ一つの作品が、とても個性があって、
二つとして同じものがないのも驚きでした。
(ミースの作品は似通ったものに収斂されてゆくのとは対照的)

「形」の特性を理解するスタディを常に行っているとのことで、
幅広いデザインソースをお持ちなのだろうと
思いました。

1回の講演では語りつくせないところもあったと思いますが、
これから、教育の現場で、ご指導いただけることを、
とても楽しみにしています。

追:
学生は、どんな小さなことでもよいので、
質問をするように心がけましょう。
(最初は勇気が必要かもしれませんが)
質問をすることが、皆で、建築について語りあう
第一歩になると思います。

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