2011年6月2日木曜日

第5回DVD上映会・討論会 報告 

 今回の討論会ではベーシック・インカム構想という経済の分野について話し合いました。ベーシック・インカムとは、全国民個人単位に一律の最低保障額を給付する制度・構想のことで、「最低限所得保障」のうちの一手段です。普通に生活ができている私たちには給付金の使い道に迷ってしまうかもしれませんが、既存の社会保障・福祉から漏れるような経済的弱者にとっては大きな救済につながると思います。しかし貧困対策以外の影響については、地方活性化、余暇の充実、など抽象的なものが多く国民を納得させるような利点とは思えません。ベーシック・インカムによって最低限の収入を保証された場合、それ以上の公的扶助を行うことは困難になり、このため必要に応じた更なる保障をもらえない可能性もあることから、医療・福祉水準の低下するのでは?という意見も出ました。すでに最低限の生活を送れている私たちにとっては、+αの収入よりも、いざというときに頼ることができる保障のほうが重要のようです。労働のことについても話し合いましたが、ベーシック・インカムによる労働者の減少、職種の偏り、責任感の希薄などによる社会問題も予想されました。働くことの意味を改めて考えさせられました。今回の討論会では、このベーシック・インカム構想を反対する意見が比較的多かったです。しかし、だからこそ私がこの制度の利点をさらに詳しく伝え、もっと討論を盛り上げるべきだったと思います。明らかに私の準備不足でしたので反省しています。
 討論会後に、ポスターを見て下さった他研究室の先生が「行ってみたかった」と言って下さいました。今回は都合がつかず参加はできませんでしたが、経済の討論に関心を持っていただけただけでも嬉しかったです。  矢幡

1 件のコメント:

  1. 配布資料を作るなど、丁寧な準備をしてくれました。
    ベーシック・インカムについては、私も江上先生からお話を聞いて始めて知ったことで、それから、働くことの意味、人間として最低限の生活を送る権利などについて考え始めました。いずれまた、他研究室の人たちにもぜひ参加してもらって、議論を深めて行ければと思います。

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