2010年9月6日月曜日

夏休みの課題  信國

北九州市立美術館を見て・・・


磯崎新氏の作品である「北九州市立美術館」を見学しに行きました。

丘の上に建設されたこの建物は地域住民達からは「丘の上の双眼鏡」といった名称で親しまれているそうです。二本の長方形を建物の中心に配置し、左右に大きく広がりを見せるその全体像は森を包み込んでいる様な雰囲気があり、とても神秘的でした。

エントランスから入り、そのまま正面を見ると、突き当たりのガラス越しに見える緑の景色が目に入りました。本当に緑に囲まれた、自然と一体になるような建物なんだと感じました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
展示空間に至っては他の美術館を見たことがないので、良くは分かりませんが、天井が高く、柔らかい光が降り注ぐような構成になっていました。壁に掛けられた多くの展示品、ガラスケースの中に飾られている展示品、そしてそれらを真剣に見ていく人たちという、全体像が一つの作品のように感じられました。



この建物の中に入り、磯崎新氏が考えられて設計したのかまでは分かりませんでしたが、一つだけ気になった事がありました。どこの窓ガラスの景色を見ても、一つの絵としてみて行くことが出来た事です。

一階から二階に上がる際にはステップフロアに上り、そこからまた二階に上がるという折れ階段の構成をしていたのですが、二階に上がる際に正面にはガラス面しか見えず、そこから見える景色はガラス越しの綺麗な空模様でした。さらに三階にあがり、さきほどのガラスに目を向けると、今度は海が一面に広がっていました。





 
 
 
 
 
 
 
 
至るところに色々な工夫がされており、神秘的で、聖堂の様なイメージが私の中では強く残っています。


この建物が竣工された年は1974年であり、多様性・地域性といったものが建築の形に取り入れられる様になった頃だと認識しています。この地域がどういったものであるか、といった事までは分かりませんが、十分に姿に表されているのではないだろうかと感じる建築でした。


熊本北警察署を見て・・・


熊本では、熊本アートポリスという企画が立ち上げられており、その最初の代表作として有名なのが今回見学に行ったこの熊本北警察署でした。

企画内容としては、ポスト・モダニズム建築の概要と同じように、高度経済成長によって画一的になってしまった日本の町並みを反省し「熊本らしい田園文化圏の創造」を目標として掲げ、後世に残し得る文化を熊本県で実現させることを目指すという事です。つまり地域性を重んじる建築を想像し、構成していこうという事だと解釈しています。













今まで写真でしかこの建物を見る機会が無く、「なんて不安定そうな構成だ」という意見を持っていましたが、横から見ると実はそうでもありませんでした。逆三角形でのみ構成されていると思っていましたが、その裏ではしっかりと建物が地に足をつけていました。













周りをぐるぐる回り、あっついので中に入ってポケーっと観察していたら所内の警官さんに不審に思われたらしく、ずっと様子を伺われていました。学生ということを説明しようかと思いましたが学生証がないっ!切実にお願いしようかと思いましたが自分の服装(スウェット)を考えて、うん、無理だ、と思い、中をある程度見て逃げるように建物を出ました。出てからも警官さんが見てたので怒られるかと思いました。

残念ながらエントランスホールしか見る事はできませんでしたが、逆三角形で一番底に位置する場所なのですが、驚きの広さでした。イスやテーブル等も警察署とは思えない色彩のものが配置されており、徹底されているのかな?と感じました。

篠原一男は「住宅は芸術だ」と宣言しており、正にそれが活かされた建築なのではないでしょうか。



京都府立陶板名画の庭を見て・・・・
これは安藤忠雄氏設計の屋外型美術館です。コンクリートと水で構成される空間を使い、世界の名画の造形・色彩を忠実に再現した陶板画が回廊式に配された、世界で初めての絵画庭園だという事らしいです。
とりあえず着いてから窓口のおばさんに入場料を払おうとしたらすぐそばの自販機で買ってくれと言われました。あんた何の為にそこにおるんスカって感じでしたがまあいいやと思いスルーしました。

さすが屋外展示というだけあり、気温が高く帰りたい一心に駆られましたがそれでは来た意味が無いのでぐるぐると見回りました。とりあえず自分は作品を見に来たわけではないので絵画等はスルーしました。











この建物では長い回廊が常にあり、その壁には作品が掛けられ、歩きながら展示物を見る事ができます。空中デッキがあり、そのすぐそばには滝があり、大きな絵が掛けられていました。この絵を見るための雰囲気作りの為なのかは分かりませんが、素晴らしかったです。













一つの階段があったのですが、そこを上るときに滝の音が聞こえました。上りきるとそこには自然があふれているのでは無いかという気にさせられたのを覚えています。視覚だけではなく、聴覚でも楽しませてもらえました。

 













安藤さんは自然をいかに味方につけるのかを考えているという話しを書籍で読みましたが、その考え自体が地域性を重視しているのかな?と思わされました。特にこの建物は屋外のみで、建物と言っていいのか良くわからないほど自然と一体です。地域性について考えさせられる作品になりました。

そして周り終えて出口に着いたときに建築的にも、モラル的にもビックリしました。

出口が外と筒抜けになってます。誰でも入れますねこれ。まあ善良なる人々ならまさかそんな事しないでしょうが。

これらの作品の他にも東京に行く予定でしたが資金不足の為に行けませんでしたので、時を見て行きたいと思ってます。









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